げんき通信 Vol.29 令和4年10月21日発行

イワシ(鰯)は海のニンジン

 皆さんは「タイの尾よりイワシの頭」ということわざを聞いたことがありますか? これはよくいう、「鶏頭たるとも牛後となるなかれ」と同じ、「優れたものの尻につくより、価値の劣るものの中にいても、その長たるものの位置につく方がよい」という意味です。  
 魚の王様といわれるタイに比べ、イワシは前述のことわざのように、劣るものの代表格のように扱われますが、実際、漁獲量の多いイワシは、養殖ハマチの餌として使われます。10万トンのハマチを養殖するために、その8倍のイワシが餌として消費されます。
 文字通り、イワシは多くの魚の餌になる弱い魚ですが、とても栄養価の高い魚です。
 脂肪成分を構成している脂肪酸のうち、体内で合成できないために、食物から摂取しなければならないものを必須脂肪酸といいます。イワシに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、この必須脂肪酸にあたります。
 EPAには体内で血栓が作られるのを防ぐ作用があります。また、DHAにはコレステロールを下げる作用の他に、脳や神経細胞の機能を高める作用があり、記憶力を高めたり、認知症を予防する効果があります。
 エスキモーに血栓症や冠状動脈硬化症のような、循環器系の疾患が少ないのは、イワシなどの青魚を多く食べるためだといわれています。
 朝鮮ニンジンは、昔から滋養強壮食として知られていますが、とても高価で庶民には手の届かないものでした。でもイワシは安価で庶民の食卓にものぼりやすく、「イワシは海のニンジン」と呼ばれ、庶民の健康維持のために欠かせない味覚として親しまれてきたのです。
 秋になるとおいしくなるハマチ、でもそのハマチの陰には、たくさんの献身的なイワシ達がいるのです。今度からハマチのお刺身やおすしを食べるときには、目の前にはいないイワシ達にも感謝してあげたいですね。


手の指と内臓

 東洋医学では5本の指それぞれに、特定の内臓が深く関係していると考えられています。
 親指は鼻や肺などの呼吸器系、人差し指は大腸、中指は動脈や静脈などの血管系、薬指は自律神経、小指は心臓や小腸と関係しています。
 それぞれの内臓の働きを整える目的で、指全体を揉みほぐしたり、爪の生え際を左右から挟むように押したり、指先をつまんで引っ張ったりしてみましょう。
 また、手のひらの中央からは、「気」という目に見えないエネルギーが出ていると考えられています。ストレスを感じたり、イライラしているときは、揉んで気分をすっきりさせましょう。


東洋医学一般公開講座が終了しました

 今年度は「不調改善! ツボ押し体操」というテーマで、札幌(中央区、北区、西区、白石区)、旭川、苫小牧、帯広の7会場で行い、のべ50名の方にご参加いただきました。
 コロナ感染予防の観点から、参加人数を制限させていただきながらの開催となりましたが、検温やマスク着用など、皆様のご協力のおかげで、無事に講座を終えることができました。
 来年度も分かりやすく、健康の保持に役立つテーマを選んで、開催したいと思っています。詳細が決まりましたら、「げんき通信」や、ホームページなどでお知らせしますので、来年度もよろしくお願いいたします。


お問い合わせは・・・
北海道札幌視覚支援学校附属理療研f修センター
TEL(011)533 - 3253
メールアドレス ahaki@popmail.hokkaido-c.ed.jp

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