げんき通信 Vol.32 令和5年10月13日発行

その不調、天気のせいかもしれません~天気痛のお話

 頭痛、めまい、腰痛、膝痛、古傷の痛み、気分の落ち込みなど様々な症状で悩みながらも、病院で検査をしても原因がみつからない。周りの人に相談しても 「気のせいだろう」とか、「疲れがたまっているだけじゃないか?」と言われてしまう。そんな経験はありませんか? もしかすると、そうした不快な症状の原 因は天気痛かもしれません。

天気痛チェックリスト

 あなたは、以下の項目で思い当たることがありますか?
 1.雨が降りそうだと分かる。
 2.季節の変わり目は具合が悪い。
 3.乗り物酔いをしやすい。
 4.耳鳴りがしやすい。
 5.耳抜きが苦手。
 6.寒さが苦手。
 7.ストレスが多い。
 8.事故にあったり、スポーツなどでけがをしたことがある。
 ※2つ以上の項目に当てはまる人は天気痛の可能性があります。特に1と2にチェックが入った人はハイリスクです。

そもそも、天気痛って何?

 気温や湿度、気圧の変化によって心身に不調が現れることを「気象病」といいます。中でも特に痛みや気分障害に関するものを天気痛といいます。症状は様々 で、頭痛、めまい、肩こり、古傷の痛み、腰痛、倦怠感、気分の落ち込み、眠気、神経痛の悪化など多岐にわたります。症状の現れ方にも個人差があり、雨が降 る3時間前だったり、半日前だったり、中には自分が住んでいる地域からかけ離れた場所の台風ですら感知してしまうほど敏感な人もいます。寒暖差が激しい春 先、低気圧が停滞し続ける梅雨時、さらに夏から秋にかけての台風シーズンは特に天気痛が起こりやすい時期なので注意が必要です。

天気痛の原因は?

 天気痛の原因は気圧の変動にあります。気圧の変化を感じるセンサーがあるのは、耳の奥にある内耳と考えられています。内耳が急激な気圧の低下または上昇 を感じると、交感神経(体を緊張させる神経)と副交感神経(体をリラックスさせる神経)からなる自律神経のバランスが乱れてしまいます。交感神経が活発に なりすぎると痛みの神経を刺激し、頭や古傷が痛くなります。一方、副交感神経が活発になりすぎると、倦怠感や気分の落ち込みを感じます。

症状改善のためのセルフケア

 気圧の変化を受けやすい人は、内耳の気圧センサーが敏感です。症状が現れる前に耳の血行を良くしておくと、そのセンサーの感受性が下がるため、症状が起きにくくなります。
1 くるくる耳マッサージ
  ア.親指と人差し指で両耳を軽くつまみ、上・下・横にそれぞれ5秒ずつ引っ張る。
  イ.耳を軽く横に引っ張りながら、後ろ方向に5回ゆっくりと回す。
  ウ.耳を包むように折り曲げて、5秒間キープする。
  エ.手のひらで耳全体を覆い、後ろ方向に円を描くように5回ゆっくりと回す。
2 ツボ押し
 耳まわりや手足のツボを刺激することで、血行が促進され天気痛の症状軽減につながることもあります。
 体調が悪くなりそうなタイミング(雨が振り出す前や降っている最中など)で左右の人差し指で刺激してみてください。
 頭竅陰(あたまきょういん):乳様突起の上にあるくぼみ
 完骨(かんこつ):乳様突起から指1本後ろにあるくぼみ
  翳風(えいふう):耳たぶの付け根にあるくぼみ
 ※乳様突起(にゅうようとっき):耳の後ろにある出っぱった骨のところ

 毎日変わりゆく天気の中で「天気痛」は、誰にでも起こりえることですが、きちんと対処をすれば怖くありません。天気の移り変わりと付き合いながら、雨の日の体調不良や憂鬱な気持ちを解消し、快適な日々を過ごせるといいですね。


お問い合わせは・・・
北海道札幌視覚支援学校附属理療研f修センター
TEL(011)533 - 3253
メールアドレス ahaki@popmail.hokkaido-c.ed.jp

センターだより「げんき通信」に戻る
ホームへ戻る