げんき通信 Vol.35 令和6年9月20日発行
鍼(はり)治療とは
鍼治療を受けたことはありますか?
公益財団法人東洋療法研修試験財団2022年度鍼灸等研究報告書「あはき(あん摩・はり・きゅう)療法に対する国民の受療意向に関する調査研究」によれ
ば、1年間に鍼灸治療を受けたことのある成人の割合は2002~2012年までは6~8%台、2013年以降は4~5%台で推移しており、とても少ない状
況です。
受けたことがない方は「痛い」「怖い」というイメージがあったり、「どういう治療をするかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回
は理療研修センターで行っている鍼治療について、簡単にご紹介します。
鍼について
鍼の素材は金、銀などいくつかありますが、現在はステンレス製のディスポーザブル鍼(滅菌された使い捨て鍼)が一般的で、衛生面も安心です。
また、鍼の長さ・太さもさまざまな種類があり、部位や症状により使い分けます。当センターでは長さ40~60mm、太さ0.16~0.20mmのものを
多く用いています。日本人女性の髪の太さは、平均約0.08mmなので髪の毛よりやや太いですが、献血の採血で用いる注射針が1.2mm(18G)ですの
で、鍼自体はとても細いということがおわかりいただけるのではないでしょうか。また、鍼の先端には痛みを感じにくいよう形状が工夫されているため、刺すと
きの痛みはほとんどありません。
当センターにおける基本的な鍼治療の流れ
①問診により症状についてのお話を伺った上で、診察を行い、症状の部位や原因を確認していきます。
②患者さんと治療方針や刺鍼部位の確認をします。
③症状、刺鍼部位に応じた鍼の種類、刺入方法や深さを決定します。
④消毒を行い、体内に鍼を刺入します。
ア)目的の部位に鍼を刺し、すぐに抜く方法(単刺)
イ)目的の部位に鍼を刺し、10分程度刺したままにする方法(置鍼)
ウ)刺入した2本の鍼の間に電気を通して筋肉を動かす方法(鍼通電療法)
など、さまざまな方法があります。
⑤鍼を抜き、消毒をします。
当センターでは鍼治療にあん摩治療を併用しています。また、鍼治療は必ず患者さんの希望を確認し、同意を得た上で行います。無理にお勧めすることはあり
ません。
鍼治療の効果と適応
鍼治療は鎮痛、血液循環改善、自律神経の調整、ホルモンバランスの調整、免疫力向上などさまざまな効果が期待できます。
はり師は国家資格です。当センター臨床室では、はり師免許と教員免許を持つ指導員が肩こり、腰痛、膝痛をはじめ、自律神経症状や婦人科疾患(更年期障害な
ど)、脳血管障害後遺症やスポーツ障害など、さまざまな症状、疾患の治療を行っています(鍼治療を併用しない、あん摩のみの治療も可能です)。臨床室の詳
細につきましては当センターホームページに掲載しています。ぜひご覧ください。
お問い合わせは・・・
北海道札幌視覚支援学校附属理療研修センター
TEL(011)533 - 3253
メールアドレス ahaki@popmail.hokkaido-c.ed.jp
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