2023年1月22日

研修講座 『手軽に出来る灸治療の臨床応用&セルフケア』 開催

 1月22日(日)の研修講座は、お灸・はり治療室 灸PLUS 副院長の八木麻子先生をお招きし、『手軽に出来る灸治療の臨床応用&セルフケア』というテーマで開催しました。
 午前の講義では、お灸はカイロとは違い深部熱であるため効果が持続する特徴があること、施灸部を決定するには経絡上の凹んでいる部を探すこと、正しくツボが選択されている場合は、お灸は熱くなく心地良く感じられることなどが話されました。
 冷え症については、タイプ別の対処法をはじめ、特に北海道には有訴者が多いことから、治療にお灸をもっと取り入れてほしいこと、症状改善には患者さんの協力が不可欠であり根気強く治療を継続すべきであることなどをご説明いただきました。
 午後の実技では、施灸部位の探し方と棒灸と、せんねん灸の実技を中心に行いました。
 棒灸はホルダーに固定して督脈上の反応経穴に施灸した際には、受講者の皆さんは大変心地よい様子でした。
 棒灸の注意点としては、長くても腹部で5分、背腰部で15分としてドーゼ過剰を避けること、棒灸を終える目安は施灸部の凹みが改善したり、汗をかく、脈が整う、足部が温まるなどとのことでした。
 せんねん灸については、種類別の熱の感じ方の違いの体験や痛みをとるための使用法をご紹介いただきました。具体的には熱の強めのせんねん灸を疼痛部に置き、患者さんが熱いと感じたらすぐに取り去るという方法でした。これは棒灸でも同様のことができるとして、疼痛部位から3センチほどほどの距離から熱を与え、患者さんが熱いと訴えたら離し、これを3回繰り返すとのことでした。
 まとめで八木先生からは、症状の治りかけの時期こそ悪化の方向に陥りやすいので、治療を中止せずに継続することが非常に重要であると話されました。
 視覚障がいのある理療師にとってお灸治療は敬遠されがちな現状ですが、棒灸やせんねん灸は患者さんの満足度を上げられ、術者にとっても治療への導入が容易な手段です。
 今後はさらにお灸の効果を一人でも多くの方々に広めていきたいと強く感じる講座でした。




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