2023年2月12日

研修講座 『中医学鍼灸の実際〜基礎から臨床応用(高血圧)』 開催

 2月12日(日)に、華梨堂院長の松山優先生をお招きし、『中医学鍼灸の実際〜基礎から臨床応用(高血圧)』をテーマに研修講座を開催しました。
 前半の講義では、春秋戦国時代に成立した中医学の基本理論や証に基づく治療法である弁証論治について詳しくご説明いただきました。
 証によらない治療では対症療法しかできないため、弁証論治が非常に重要であること、治療は四診→弁証→論治という流れで進めることが望ましいこと等が話されました。診察では脈診・腹診・舌診、弁証では八綱を重要視しており、治療では、証毎の基本治療穴や五行穴を踏まえて、ケースに応じた適切な経穴を選択すべきであると話されました。
 高血圧に関しては、まず中医学には高血圧に相当する概念がないため、高血圧から派生する症状に着目して治療されると説明がありました。その上で、例えばめまいについて、肝陽上亢による場合は補気養血・健運脾胃、腎精不足による場合では補腎慈陰・補腎助陽が行われるとのことでした。また、脈圧が65mmhg以上ある患者さんでは、速やかに医師の治療も併せて行うことが望ましいとのご提言もあり、ケースによっては西洋医学との協力も必要であると述べられました。
 後半のデモンストレーションでは、頭痛のある受講者に対して診察から治療まで約1時間、松山先生による治療場面を詳しい説明を交えながらご紹介いただきました。丁寧で繊細な切経と脈診、そして刺鍼を間近で観察でき非常に貴重な経験となりました。
 講座全体を通して、中国留学時のエピソードを交えてのご説明も多くあり、大変興味深い、また学びの多い研修講座となりました。 



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