「理療」についてQ1:理療(りりょう)って何ですか?当施設の名称にも含まれる「理療」とは、国家資格を持つ者が行う、あん摩・マッサージ・指圧、はり(鍼)、きゅう(灸)の総称です。ただ、盲学校の中で 使われる用語ですので、一般的ではありません。また、似たような言葉に「理学療法」というものがありますが、これは病院で行われる動作能力に対する回復訓 練の一種であり、理療とは別のものです。 次に、各々について簡単にご説明します。 @あん摩:古代中国で発祥した手技療法で、衣服の上から行う手技です。施術の方向は体から手足の末端に向
かって行います。
Aマッサージ:古代ヨーロッパで発祥した手技療法で、皮膚に直接行います。施術の方向はあん摩と全く反対
で、手足の末端から体に向かって行います。また、産業マッサージやスポーツマッサージ、美容マッサージなど多方面に応用されています。
B指圧:近代の日本において、あん摩やマッサージの圧迫法、柔道の活法などを基にし、アメリカの整体術(カ
イロプラクティックなど)を取り入れて作られた手技療法です。
Cはり(鍼)・きゅう(灸):共に中国で発祥し、はりは細い金属を用いて体に刺し、または接触し、組織に機
械的刺激を、きゅうは、よもぎの葉から作った「もぐさ」を用いて、皮膚上で燃焼させ、温熱的刺激を与えて効果的な生体反応を起こさせる療法です。
Q2:経絡(けいらく)・経穴(けいけつ=ツボ)とは何ですか? 経絡とは主に体中を巡る気(エネルギー)の通路で、全身くまなく走っています。経穴は経絡の門戸であり、体の反応点・診断点・治療点としての意義があり ます。経穴は左右合わせると700個以上あります。場所については、東洋医学的には上記のように多くが経絡上に存在します。一方、西洋医学的解釈では骨間 や筋間の陥凹部、動脈の拍動部、神経の本幹や分岐部に存在しています。経穴は体の内側の状態を如実に表す反射点でもあることから、これを用いることで、体 の表面のみならず内部にもアプローチすることができます。また、歯痛に効果の高い経穴や腹痛に効果の高い経穴、精神的安定に効果の高い経穴など、特異的な 性質を持つものがあります。さらに、治療の場面ではいくつかの経穴を組み合わせることで、より高い効果を得ることができます。 Q3:「未病(みびょう)」とはどういう意味ですか? 以前は「半健康状態」などと言われていましたが、現在ではこの「未病」という言葉が一般的になってきました。「未病」とは健康の範囲を超えて病気へと向 かう心身の状態をいいます。東洋医学では古くから大切にされていた概念です。加速するストレス社会を生きる現代人は、様々な病気と隣合わせでもあることか ら、西洋医学の思想にも反映されるようになってきました。理療治療の目的は病気の予防・治療ですが、特に病気の予防に効果が高いとされています。すなわ ち、理療は『未病を治す』ことに対して最も威力を発揮するといえます。 Q4:理療治療はどんな疾患・症状に効きますか? 多くの適応疾患・症状があり、五十肩・肩こり・腰痛・膝の痛みなどをはじめ、最近ではスポーツ選手に対する治療も盛んに行われており、コンディショニン グやパフォーマンスの向上に効果を上げています。 WHOが定める鍼灸の主な適応疾患については以下の通りです。 @ 運器系疾患:肩こり、肩関節周囲炎(五十肩)、腰痛症、頚椎捻挫後遺症(鞭打ち)、頚腕症候群、関節リウマチなど A 神経系疾患:神経痛、神経麻痺、自律神経失調症、脳卒中後遺症、頭痛、不眠症など B 循環器系疾患:高血圧症、心悸亢進(心臓神経症)、低血圧症など C 消化器系疾患:歯痛、機能性胃腸炎、胃下垂症、胃酸過多症、胆石症、肝機能障害、下痢、便秘、痔疾患など D 呼吸器疾患:感冒、咳嗽、鼻炎、扁桃炎、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎、気管支喘息など E 泌尿器系疾患:腎・尿路結石、膀胱炎、前立腺肥大症など F 内分泌系疾患:バセドウ病など G 代謝疾患:糖尿病、痛風など H 皮膚科疾患:皮膚炎、蕁麻疹、ヘルペス、肝斑(しみ)、円形脱毛症など I 産婦人科疾患:月経不順、月経痛、冷え症、更年期障害、妊娠悪阻(つわり)、胎位異常(逆子)など J 小児科疾患:疳虫、夜啼症、夜尿症、自家中毒症、小児喘息、虚弱体質など K 眼科疾患:麦粒腫(ものもらい)、結膜炎、眼精疲労、仮性近視など L 耳鼻科疾患:メニエル病、耳鳴、難聴、副鼻腔炎(蓄膿症)など Q5:理療研修センターでも治療は受けられますか? はい。詳しくは、臨床室のご案内をご確認ください。 臨床室のご案内へ戻る よくあるご質問へ戻る ホームへ戻る |